竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
「今日は、ルベリアと出かけるんだったか」

 食事を終えて、イーヴがシェイラの髪を撫でながら尋ねる。食後のお茶はソファに座って、彼の膝の上で飲むことが最近の日課だ。

「うん、久しぶりに会うから楽しみ。夕食までには戻ります」

「あまり人の少ないところには行くなよ。裏通りなんかは、治安があまり良くないからな。ルベリアから離れないように」

「はぁい」

 過保護なイーヴの言葉に笑ってうなずき、シェイラはカップを口に運ぶ。ミルクと砂糖をたっぷり入れたコーヒーは、初めて飲んだ時からずっとお気に入りだ。イーヴのようにブラックで飲むことはまだできないけれど。

 ルベリアに会うのは、ソフィとのことを聞いた日以来になる。イーヴとの関係がこんなにも変わったことを知ったら、彼女はどんな反応をするだろうか。少し照れくさい気持ちが湧き上がって、シェイラは小さく笑った。
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