竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!? ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
誘拐
目を覚ますと、そこは見慣れぬ部屋の中だった。目に眩しい鮮やかなピンクの壁紙に、白い羽飾り。どこかで見たようなと眉を顰めつつ身体を起こそうとすると、両手両足が縛られていることに気づく。
「……っ何」
掠れた声でつぶやいて、シェイラは手足の戒めを解こうと身体をよじった。だけど固く結ばれた縄はびくともせず、拘束が緩むことは一切なかった。混乱と恐怖に呼吸が速くなっていき、泣き出しそうになった時、部屋のドアがかちゃりと開く音がした。
「あら、薬が強すぎて死んでしまうかと思ったけど、本当におまえはしぶといのねぇ」
甘くねっとりとした声の主は、予想通りベルナデットだった。この部屋と同じ色をした扇子で口元を隠しながら、彼女はシェイラを蔑むような目で見つめる。背後に控えた黒服の男が部屋の入口らしきドアの前に立っていて、逃げ出すことは叶わない。
何をされるのかと身を硬くするシェイラを見つめながら、ベルナデットはゆっくりと近づいてきた。こつこつと、ヒールの音が静かな部屋に響く。
「……っ何」
掠れた声でつぶやいて、シェイラは手足の戒めを解こうと身体をよじった。だけど固く結ばれた縄はびくともせず、拘束が緩むことは一切なかった。混乱と恐怖に呼吸が速くなっていき、泣き出しそうになった時、部屋のドアがかちゃりと開く音がした。
「あら、薬が強すぎて死んでしまうかと思ったけど、本当におまえはしぶといのねぇ」
甘くねっとりとした声の主は、予想通りベルナデットだった。この部屋と同じ色をした扇子で口元を隠しながら、彼女はシェイラを蔑むような目で見つめる。背後に控えた黒服の男が部屋の入口らしきドアの前に立っていて、逃げ出すことは叶わない。
何をされるのかと身を硬くするシェイラを見つめながら、ベルナデットはゆっくりと近づいてきた。こつこつと、ヒールの音が静かな部屋に響く。