竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!? ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
下腹部に札が押しつけられたような気がしたのも束の間、ばちりと何かが弾けるような音がして拘束が緩んだ。
恐る恐る目を開けたシェイラの目の前で、男が赤くなった手を振っている。
「お嬢様、無理です。この札を貼ろうとしたら、何かに阻まれる」
「何よ、それ。いいからもう一度試しなさい」
「ですが、手が」
男が、怯えたようにベルナデットに自らの手を見せた。札を持っていた手は、まるで火傷をしたかのように赤く爛れている。それを見ても、ベルナデットは全く表情を変えない。
「おまえの手がどうなろうと、わたくしの知ったことではないわ。命令よ、もう一度これに札を貼りなさい」
「……っかしこまりました」
男は渋々といった様子で床に落ちていた札を拾い上げると、再びシェイラに手を伸ばした。また何かの抵抗にあうことを恐れているのか震える手で札を近づけた瞬間、青い光が札ごと男の手を包んで弾けた。
「ぐ、あぁぁっ」
皮膚が裂けて血が噴き出し、男は手を抱えて悲鳴を上げる。床に落ちた札は焼け焦げたように真っ黒になって、もう役目を果たせなくなっていることは明らかだ。
恐る恐る目を開けたシェイラの目の前で、男が赤くなった手を振っている。
「お嬢様、無理です。この札を貼ろうとしたら、何かに阻まれる」
「何よ、それ。いいからもう一度試しなさい」
「ですが、手が」
男が、怯えたようにベルナデットに自らの手を見せた。札を持っていた手は、まるで火傷をしたかのように赤く爛れている。それを見ても、ベルナデットは全く表情を変えない。
「おまえの手がどうなろうと、わたくしの知ったことではないわ。命令よ、もう一度これに札を貼りなさい」
「……っかしこまりました」
男は渋々といった様子で床に落ちていた札を拾い上げると、再びシェイラに手を伸ばした。また何かの抵抗にあうことを恐れているのか震える手で札を近づけた瞬間、青い光が札ごと男の手を包んで弾けた。
「ぐ、あぁぁっ」
皮膚が裂けて血が噴き出し、男は手を抱えて悲鳴を上げる。床に落ちた札は焼け焦げたように真っ黒になって、もう役目を果たせなくなっていることは明らかだ。