竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
「私ね、イーヴからもらってないの。それってやっぱり、私と生涯を共にする気はないってことだよね」

「シェイラ、それは」

「ううん、分かってるの。イーヴと私は寿命の長さが全然違うもの。間違いなく、私の方が先に年老いて死ぬから、ずっと一緒に過ごすことはできないものね」

 あらためて口にすると、イーヴとの違いを認識して胸が痛む。一度唇を噛んで、それでもシェイラは笑顔を浮かべた。

「私が死んだらきっとイーヴは、他の人と結ばれるでしょう。好きな人の――イーヴの幸せを願わなきゃいけないって思ってはいるんだけど、やっぱりちょっと寂しくて」

「シェイラ、違うわ」

 首を振ったルベリアが、まっすぐにシェイラの顔をのぞき込む。その表情は、怖いほどに真剣だ。
< 176 / 202 >

この作品をシェア

pagetop