竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!? ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
目を覚ますと、すでに部屋の中は明るかった。
うしろから抱きしめたイーヴの腕に気づいて、シェイラは昨晩のことを思い出す。
想いを伝えあい、番いの証を刻み、そして――。
嬉しさと恥ずかしさが入り混じって身もだえしたシェイラに気づいたのか、背後でイーヴが目覚める気配がした。
「おはよう、シェイラ」
「おはよう……ございます」
「身体はどうだ? その、少し……無理をさせてしまったから」
「だ、大丈夫です。元気いっぱいです」
見つめる瞳はいつも以上に甘くて、それは昨晩シェイラを見下ろしていた時と同じで、恥ずかしくて直視できない。
あわあわと視線を泳がせて、シェイラは結局毛布に顔を埋めて羞恥心をやり過ごすことにした。
眠りについたのが朝方だったせいか、今朝は随分と寝坊してしまった。いつもの朝食の時間を大幅に過ぎていることに焦ったシェイラだったが、いつの間にかイーヴが連絡を入れておいてくれたらしい。
まだ少し寝不足でぼんやりするシェイラを気遣ってか、食事もこの部屋でとることになった。
イーヴの膝の上で食事を終えたシェイラは、ふと大切なことを思い出して上着のポケットから小さな包みを取り出した。
「どうした? シェイラ」
「あのね、これをイーヴに渡したかったの」
「これは?」
首をかしげるイーヴの手のひらの上に包みを乗せて、開けるようにと促す。まるで壊れ物を扱うかのように慎重な手つきで包みを開いたイーヴは、中身を確認して目を見開いた。
「バングル、か」
「うん。イーヴも私にこのバングルをくれたでしょう。だから、私も何かお返しをしたくて」
「綺麗だ。着けても?」
「もちろんです」
そっと左腕にバングルを着けたイーヴは、じっと確認するように見つめて嬉しそうに笑う。
「ありがとう、シェイラ。大切にする。これ、まるでシェイラの瞳みたいだな」
中央に飾られた青い石を指して、イーヴが微笑む。言わなくても気づいてくれたことに嬉しさと照れくささが入り混じって、シェイラは緩んだ頬を隠すかのようにイーヴに抱きついた。
うしろから抱きしめたイーヴの腕に気づいて、シェイラは昨晩のことを思い出す。
想いを伝えあい、番いの証を刻み、そして――。
嬉しさと恥ずかしさが入り混じって身もだえしたシェイラに気づいたのか、背後でイーヴが目覚める気配がした。
「おはよう、シェイラ」
「おはよう……ございます」
「身体はどうだ? その、少し……無理をさせてしまったから」
「だ、大丈夫です。元気いっぱいです」
見つめる瞳はいつも以上に甘くて、それは昨晩シェイラを見下ろしていた時と同じで、恥ずかしくて直視できない。
あわあわと視線を泳がせて、シェイラは結局毛布に顔を埋めて羞恥心をやり過ごすことにした。
眠りについたのが朝方だったせいか、今朝は随分と寝坊してしまった。いつもの朝食の時間を大幅に過ぎていることに焦ったシェイラだったが、いつの間にかイーヴが連絡を入れておいてくれたらしい。
まだ少し寝不足でぼんやりするシェイラを気遣ってか、食事もこの部屋でとることになった。
イーヴの膝の上で食事を終えたシェイラは、ふと大切なことを思い出して上着のポケットから小さな包みを取り出した。
「どうした? シェイラ」
「あのね、これをイーヴに渡したかったの」
「これは?」
首をかしげるイーヴの手のひらの上に包みを乗せて、開けるようにと促す。まるで壊れ物を扱うかのように慎重な手つきで包みを開いたイーヴは、中身を確認して目を見開いた。
「バングル、か」
「うん。イーヴも私にこのバングルをくれたでしょう。だから、私も何かお返しをしたくて」
「綺麗だ。着けても?」
「もちろんです」
そっと左腕にバングルを着けたイーヴは、じっと確認するように見つめて嬉しそうに笑う。
「ありがとう、シェイラ。大切にする。これ、まるでシェイラの瞳みたいだな」
中央に飾られた青い石を指して、イーヴが微笑む。言わなくても気づいてくれたことに嬉しさと照れくささが入り混じって、シェイラは緩んだ頬を隠すかのようにイーヴに抱きついた。