竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
「気に入ってもらえるといいんだが」

「わぁ……指輪」

 それは、透き通った青い指輪だった。中央に飾られた丸い石は金色で、まるでイーヴの瞳のようだ。ほとんど確信を持ちつつも、シェイラは指輪に触れながらイーヴを見上げる。

「もしかしてこれって、イーヴの鱗から作られてる?」

「あぁ。シェイラに贈るなら、どうしても自分の鱗を使ったものにしたくて」

「嬉しい。バングルとお揃いですね。ずっとイーヴと一緒にいるみたい」 

 そっと指輪に唇を押し当てると、イーヴが小さく笑った。

「俺も、ずっとそばにいるけどな」

「ふふ、その通りですね。それでも嬉しいの。この指に指輪を贈られるって、本で読んでずっと憧れてたから」

「シェイラが本を読んで憧れたことは、何でも叶えてやる」

「私、きっと今まで読んだどのお話の主人公よりも幸せです」

 指輪の光る手をかざしながら笑ってそう言うと、うしろから抱きしめた腕が強くなった。
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