竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
「ランタンも持ってきてるが、シェイラはこっちの灯りの方が好きだろう」

 そう言って、イーヴが花を摘んでシェイラの手に持たせた。髪にも飾ってもらった釣鐘状の花は、確かにランプシェードのような形をしているけれど、さすがに灯りの代わりにはならない。

 どういうことかと首をかしげたシェイラに笑いながら、イーヴは周囲を飛ぶ光虫を捕まえると花の中へと入れた。薄紅色の花弁を透かした柔らかな光が広がって、周囲がほんのり明るくなる。

「わぁ、お花の灯り……!」

「光虫が逃げないように、そっとな」

 イーヴの声かけに、花を揺らさないよう気をつけながらシェイラは両手で慎重に茎を握りしめた。
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