竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
「それで、竜族が迎えた花嫁についてなんだが」

「過去にドレージアに来た、ラグノリアの人のことですね」

「あぁ。これまでにラグノリアから迎えた花嫁は六人。竜族はかつてラグノリアの民から受けた恩を決して忘れないからな、彼女らは丁重にもてなされた」

 食事をしながらイーヴの説明は続く。

 竜族の国ドレージアには王はおらず、国を興したといわれる赤竜と黒竜、そして青竜の血筋を引く三つの一族が協力し合って国を治めているという。イーヴは青竜一族の当主で、だからこんな豪邸に住んでいるのかとシェイラも納得する。

 平和なドレージアだけど、治安維持と万が一外から攻め込まれた時のために自警団のような組織が存在しており、イーヴはその組織を取り纏めているらしい。鍛え上げられた大きな身体は、普段の訓練の賜物なのだろう。
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