竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
 しばらく黙って見つめ合ったあと、マリエルは迷いを振り払うように小さく首を振って空を見上げた。その表情は先程までとは違って凛としていて、聖女としての威厳を取り戻したように見える。

 それでいいと、シェイラも小さくうなずいた。彼女はこれから先も、この国を守っていかなければならないのだ。そのために今日、シェイラは竜に喰われる。
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