竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!? ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
はじめての朝
朝、目覚めるとシェイラは自分がどこにいるのか分からなくて一瞬戸惑った。見上げた天井は黒っぽく、しっとりとした木の香りを嗅いでここがイーヴの部屋であることを思い出す。
慌てて身体を起こすと、ソファの上で眠るイーヴの姿が目に入った。シェイラはベッドの真ん中で眠っていたようだし、彼の寝る場所を奪ってしまったことに思い至る。
初夜だからと我儘を言って、結局イーヴに迷惑をかけてしまった。
「イーヴ」
小さな声で呼びかけると、ぱちりと目が開いてシェイラのほうに視線が向けられた。月の光を溶かし込んだような金の瞳は、鋭いけれど美しい。
「起きたか、シェイラ。おはよう。よく眠れたか?」
「おはようございます。おかげさまでよく眠れました。だけどあの、イーヴはソファで寝ることになってしまいましたよね……」
ごめんなさいと眉を下げてしゅんとするシェイラを見て、イーヴが笑いながらソファからベッドの方にやってくる。
「よく眠れたなら、それでいい。さあ、一度部屋に戻って着替えてこい。それから一緒に朝食を食べよう」
わしゃわしゃと頭を撫でられて、寝ぐせのついた髪がさらに乱される。だけどそれが何だか嬉しくて、シェイラはくすくすと笑ってうなずいた。
慌てて身体を起こすと、ソファの上で眠るイーヴの姿が目に入った。シェイラはベッドの真ん中で眠っていたようだし、彼の寝る場所を奪ってしまったことに思い至る。
初夜だからと我儘を言って、結局イーヴに迷惑をかけてしまった。
「イーヴ」
小さな声で呼びかけると、ぱちりと目が開いてシェイラのほうに視線が向けられた。月の光を溶かし込んだような金の瞳は、鋭いけれど美しい。
「起きたか、シェイラ。おはよう。よく眠れたか?」
「おはようございます。おかげさまでよく眠れました。だけどあの、イーヴはソファで寝ることになってしまいましたよね……」
ごめんなさいと眉を下げてしゅんとするシェイラを見て、イーヴが笑いながらソファからベッドの方にやってくる。
「よく眠れたなら、それでいい。さあ、一度部屋に戻って着替えてこい。それから一緒に朝食を食べよう」
わしゃわしゃと頭を撫でられて、寝ぐせのついた髪がさらに乱される。だけどそれが何だか嬉しくて、シェイラはくすくすと笑ってうなずいた。