竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
「美味しい!」

 思わず声を上げて微笑むと、イーヴもレジスも嬉しそうにうなずいた。まるで小さな子供を見つめるような視線が少し照れくさい。長い時を生きる竜族からみれば、自分はやはり幼子のようなものなのだろうと思いつつ、シェイラはほろ苦いコーヒーをまた一口飲んだ。

 

 そして運ばれてきた料理は、朝からこんなに食べるのかと思うほどに豪勢だ。今日も、大きな肉が皿の上にいくつも並んでいる。

「竜族の人は、朝からたくさん食べるんですね」

 見ているだけでお腹がいっぱいになりそうだとつぶやきながら、シェイラはパンとサラダを少量食べて満足してしまう。

 それでもラグノリアにいた頃に比べれば十分すぎるほどに贅沢なのだけど、イーヴはそれでは不満なようだ。
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