竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!? ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
「……イーヴ?」
「ん? あぁ、シェイラか。おはよう、随分早いな」
振り返ったその顔はやはりイーヴで、額から垂れてきた汗を腕で拭って彼はそばのワゴンに置いてあったタオルを手に取った。
「すまん、汗くさいかもしれん」
鍛錬中だったんだと申し訳なさそうにしながら、イーヴはごしごしと身体の汗を拭いていく。そのたびに腕の筋肉が収縮して、その力強い動きにシェイラは思わず見惚れてしまう。シェイラの腕が数本分もありそうな太い腕も、見事に割れた腹筋からも、目が離せない。
シャツを羽織ろうとしたイーヴの胸元で何かがきらりと光って、シェイラの視線はそこに吸い寄せられた。しっとりと濡れた髪から垂れた汗が朝の光に反射したのだろうかと思ったが、柔らかな水というよりも、まるでガラスのような硬いものに反射した光のように見える。
どこかでよく似た色を目にしたことがあると記憶をたどったシェイラの脳裏に、竜の姿のイーヴがよぎった。最初に会った時の、太陽の光にきらめいた青い鱗の硬質な輝き。
「ん? あぁ、シェイラか。おはよう、随分早いな」
振り返ったその顔はやはりイーヴで、額から垂れてきた汗を腕で拭って彼はそばのワゴンに置いてあったタオルを手に取った。
「すまん、汗くさいかもしれん」
鍛錬中だったんだと申し訳なさそうにしながら、イーヴはごしごしと身体の汗を拭いていく。そのたびに腕の筋肉が収縮して、その力強い動きにシェイラは思わず見惚れてしまう。シェイラの腕が数本分もありそうな太い腕も、見事に割れた腹筋からも、目が離せない。
シャツを羽織ろうとしたイーヴの胸元で何かがきらりと光って、シェイラの視線はそこに吸い寄せられた。しっとりと濡れた髪から垂れた汗が朝の光に反射したのだろうかと思ったが、柔らかな水というよりも、まるでガラスのような硬いものに反射した光のように見える。
どこかでよく似た色を目にしたことがあると記憶をたどったシェイラの脳裏に、竜の姿のイーヴがよぎった。最初に会った時の、太陽の光にきらめいた青い鱗の硬質な輝き。