竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
 再び竜の姿となったイーヴの背に乗って、シェイラは小さな島を後にした。この島を気に入ったことを伝えると、イーヴがまた連れてきてくれると言ってくれたことが嬉しい。

「しっかり掴まってろよ」

 過保護な彼の毎度の言葉にうなずきつつ、シェイラはイーヴのたてがみに指を絡める。

 ふわりと重力を感じさせない動きで飛び上がったイーヴは、そのまま滑るように前に進む。

「上着はちゃんと着てるか? シェイラさえ良ければ、少し遠回りして帰ろうと思うが」

「空を飛ぶのはとっても気持ちがいいから、遠回り嬉しいです!」

「じゃあ、もうひとつ俺のお気に入りの場所を見せてやろう」

 どこか嬉しそうな声でそう言って、イーヴは更にスピードをあげた。
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