竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
 たくさんあった小さな島がだんだんと少なくなってきた頃、前方に大きな島が見えてきた。天に向かってそびえる山と、山から流れ落ちる水が溜まってできたであろう大きな湖。まるで鏡のような水面が、山の緑と空を映している。

「わぁ……! 綺麗!」

「本当は、夜が一番綺麗なんだけどな。水面に星が映り込んで、空がもっと広く見える」

「見てみたいなぁ」

「うーん、連れてきてやりたいけど、夜は冷えるからな……。シェイラに風邪でもひかせたら、レジスに怒られそうだ」

「じゃあ、もっと厚着をするから大丈夫って、私からもレジスさんにお願いしてみようかな」 

「シェイラの頼みなら、いけるかもしれないな。あいつはシェイラに甘いから」

 くすりと笑ったイーヴの言葉にうなずいて、シェイラは帰ったらレジスに聞いてみようと決めた。
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