竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
「あたしたちはここで待ってましょ。イーヴとのお出かけについて、聞かせてよ」

 ルベリアに手を引かれて、シェイラはソファに腰を下ろす。

「お出かけ、楽しかった?」

「うん! イーヴの好きな場所にも連れて行ってもらったし、すごく楽しかった!」

「良かったわねぇ。どこに行ったの?」 

「えっと……」

 シェイラは言葉に詰まって視線を泳がせる。イーヴに連れて行ってもらった場所はとても素敵だったけれど、彼は秘密の場所だと言っていた。勝手に明かすわけにはいかないけれど、それをどう説明したらいいのか分からない。

「ふふ、いいのよ、無理に聞き出そうとは思わないわ。シェイラが楽しかったなら、それでいいの」

 困り果てて唇を開いたり閉じたりを繰り返すシェイラを見て、ルベリアは大丈夫だと笑う。
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