竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!? ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
眉間を揉んでいた手をそのままに、手のひらで視界を遮って目を閉じていると、ドアがゆっくりとノックされた。呼びかける声の主は、レジスだ。どうやら外出から戻ったらしい。
「おや、珍しくお疲れのようですね。お茶でも淹れましょうか」
部屋に入ってきたレジスは、イーヴの返事を待たずにお茶の準備を始める。長年のつきあいで、彼が何か話をしたがっていることに気づいたイーヴは、ため息をついてソファに座り直した。
「ルベリアに留守を任せてどこに行っていた」
「長に呼ばれまして、黒竜の館へ。長は、ラグノリアの花嫁の様子を気にしておいででしたよ」
「心配するくらいなら、最初から俺のところに寄越さなければ良かったんだ」
苛立ちを込めてつぶやくと、まぁまぁとたしなめるような声と共に目の前にカップが置かれる。
「シェイラ様が元気で過ごされていることをお知らせしたら、長も安心していました」
現在ドレージアの長を務めているのは、黒竜一族の当主。早くに両親を病気で亡くしたイーヴを何かと手助けしてくれた彼は、今でもイーヴを孫のように可愛がり、何かと心配してくれる。それはありがたくもあり、成人して随分とたつ身としては時々面倒でもあるけれど。
「おや、珍しくお疲れのようですね。お茶でも淹れましょうか」
部屋に入ってきたレジスは、イーヴの返事を待たずにお茶の準備を始める。長年のつきあいで、彼が何か話をしたがっていることに気づいたイーヴは、ため息をついてソファに座り直した。
「ルベリアに留守を任せてどこに行っていた」
「長に呼ばれまして、黒竜の館へ。長は、ラグノリアの花嫁の様子を気にしておいででしたよ」
「心配するくらいなら、最初から俺のところに寄越さなければ良かったんだ」
苛立ちを込めてつぶやくと、まぁまぁとたしなめるような声と共に目の前にカップが置かれる。
「シェイラ様が元気で過ごされていることをお知らせしたら、長も安心していました」
現在ドレージアの長を務めているのは、黒竜一族の当主。早くに両親を病気で亡くしたイーヴを何かと手助けしてくれた彼は、今でもイーヴを孫のように可愛がり、何かと心配してくれる。それはありがたくもあり、成人して随分とたつ身としては時々面倒でもあるけれど。