竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
 微かに青い光がシェイラの指先を覆い、傷口に吸い込まれるように消えていくのを確認してイーヴは小さくうなずいた。

 確認するようにもう一度唇を触れさせて、まだ赤みの残る傷口をなぞるように舌を這わす。もう血は止まっているはずなのに、シェイラの肌は酷く甘い。このままいつまででも舐めていられるかもしれないと思いかけた時、シェイラの悲鳴が耳に届いた。

「……っイーヴ……!」

 ハッと我に返って、イーヴは慌てて手を離す。今、自分は何をしていただろう。一体何を考えただろう。

 止められなかったら、何をしでかしたか分からない自分が怖くなる。
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