イケメンすぎる三兄弟は私を捕えて離してくれない
それだけでちょっと足がすくむ。



本番はもっと人が多くて、一緒に走る人に注目が行く。



それの中に私も……。



(う、うう……無理だっ……!怖い、怖い……!)



私に渡してくれる南くんが速いから、だからこそこわい。



陸上部の期待の星、そんな名がついているくらいだから私が失敗したら……。



「……朱里!」



「はいっ……!」



南くんが全力で私にバトンを渡す。



しっかり掴むんだ。



そう思ってた。



だけど手からするりとバトンが抜けて、そのまま地面に……。
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