イケメンすぎる三兄弟は私を捕えて離してくれない
じわりと涙が滲んで落ちそうになった時、後ろから低い声が。



「おい。離せ」



「は?裕貴お前こいつのこと知ってんの?」



私を捕まえていた男の人の手が一瞬緩んだ。



その隙に凪くんが蹴飛ばしてくれて、ようやく解放される。



こ、怖かった。



足も手もガクガクと震えて、もう立っていられない。



ふら、と力が抜けて凪くんにもたれかかった。



ぽんぽん、と頭を撫でられて涙の勢いが増す。



だけど私はすぐに凪くんから離れて裕貴くんと向かい合った。
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