学級崩壊デスゲーム

2ターンめ

2ターンめは、なぎちゃん、私、美空。
なぎちゃんの1組目の相手は、Eチームの横間響くん。
「頼んだぞ響〜」
「り〜」
あいこを3連して、勝ったのは……なぎちゃん!
「やったあ、なぎちゃんありがとっ」
美空が嬉しそうに笑う。
でも、なぎちゃんの表情は強ばっていて。
振り返ってよく見ると、1番後ろが三日月くんになっていた。
そっか……このまま響くんが負けたら、犠牲になるのは三日月くん……。
「……っ」
なぎちゃんはHチームの柑奈ちゃんに声をかける。
「さいしょはグー、じゃんけんぽん!」
柑奈ちゃんはパー、なぎちゃんはグー。
「……っ!」
なぎちゃんは、顔を真っ青にさせて辺りを見回す。
最終決戦だ。
柑奈ちゃん対、藤代くん。
それぞれの最後尾は、三日月くんと吉野優真さん。
「さいしょはグー、じゃんけんぽん!」
柑奈ちゃんはパー、藤城くんはグー。
「隼人……!」
なぎちゃんの目が若干潤んでいる。
よかった……。
「ちょっと……煌!?」
「ごめんごめん」
藤代くんはにへらと笑いながら振り返る。
「優真、どんまい」
天沢さんはぽんぽんと吉野さんの肩を叩く。
「どうしよう、殺されちゃう……だ、誰か代わってよ!そうだ、齋藤柑奈!!アンタ、優真と代わりなさいよ!!」
吉野さんは乱暴に柑奈ちゃんを掴むと、入ってきた仮面の人に柑奈ちゃんを押し付けた。
「ちょっ……柑奈!」
慌てて麻耶ちゃんが柑奈ちゃんを引っ張る。
「ダメ……柑奈はダメ!!」
仮面の人は、無言で柑奈ちゃんを押しのけて、スタスタと吉野さんに歩み寄り、腕を掴む。
「なっ……齋藤柑奈でいいでしょ?だって犠牲になるのは誰でもよかったんでしょ!?」
そのとき、ゲームマスターが口を開いた。
『確かに犠牲になるのは誰でもよかったです』
吉野さんは勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
『ですが、運も実力のうちと言います。今回の2ターン目の犠牲者は吉野優真さんです』
仮面の人はがっちりと吉野さんを捕まえて引きずっていく。
「いやぁ!誰かっ、誰か助けてぇぇぇぇぇぇ!!」
吉野さんが見えなくなった頃。
「優真ってば、意外と演技うまいんだね」
くすくすと笑いながら、天沢さんはそんなことを口にする。
こんな状況でそんなこと言うの……!?
みんなの普段見えなかった本性が、だんだんとわかってきてしまう。
それが1番怖かった。
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