学級崩壊デスゲーム
サードステージ
今後の展開
『いやぁ、面白い展開になりましたね!』
最悪のタイミングでそんなことを言うゲームマスター。
もうその一言に怒る気力がない。
なぎちゃんを目で追うと、天沢さんたちと楽しそうに笑っている。
込み上げてきそうな涙を堪えていると、亮くんが近づいてきた。
「大丈夫か?」
「亮くん……」
「篠山さんも。辛いだろうけど、一緒に頑張ろう」
美空にもそうフォローを入れて、亮くんは私の頭をポンポンと撫でてくれる。
「次、ペアとかグループを組むとき、俺らと組まない?篠山さんも一緒にさ」
そんな提案をされるとは思っていなくて、びっくりしてしまう。
私は喜んで、と言いたいところだけど……美空はどうしたいかな……。
美空を見ると、力強い目でこくりと頷いてくれる。
私も頷き返すと、亮くんに向き直る。
「ごめん亮くん……お願いしてもいいかな……?」
私の返事に、亮くんは目を輝かせて、トレードマークの八重歯を見せて笑った。
『それではサードステージを開始します!』
ゲームマスターの声に、びくりとする。
『サードステージは5人1組で行いたいと思います』
5人……!?
慌てて美空の手を握ると、亮くんの方へ駆け出す。
「俺と晴紀と、志帆と篠山さんで、あともう1人か……」
そう言うと、辺りをキョロキョロと見回す亮くん。
「あ、俺連れてくる」
一言残し、河合くんはとある男の子に声をかけに行く。
来たのは木村くん。
「あ、よろしくー……」
ツーブロックの髪の毛を触りながらぺこりと頭を下げる木村くんに、亮くんが「純太ありがとなー」と声をかけている。
「あ、ありがとうっ……!」
私も慌ててお礼を口にする。
焦りすぎて、少し声が上ずった……恥ずかしい……っ。
「あ、うん」
ちょっと面食らったような表情でそう答える木村くん。
「んじゃ、何すんのかわかんねぇけど、がんばろーな」
ニカッと笑って、亮くんが拳を差し出してくる。
「うん!」
私も拳を出して、亮くんのそれにコツンと当てた。
『全員組めたようですねー!』
ゲームマスターは、またチーム表をモニターに移し出す。
A 浅尾涼音、箕輪飛鳥、天沢南那、藍田なぎさ、長嶋悠斗
B 四葉志帆、篠山美空、木村純太、河合晴紀、堤亮
C 三日月隼人、横間響、横間奏、日比谷祐樹、進藤司
D 南條麻耶、齋藤柑奈、薬師寺和花、藤代煌、吉田素晴
Bの私たちと、A、Dチームが男女混合チームだ。
Aチームの方を見ると、なぎちゃんが浅尾さんと楽しそうに笑いあっている。
それを見て、ズキンと胸が痛む。
「はーい、そっち見るのキンシ!」
ほっぺを指で押されて、強引に顔の向きを変えられる。
「今は次に集中!!」
そう言って二パッと笑う亮くん。
「あ……そうだよね。ありがとうっ」
亮くんはすごいなぁ……。親友を亡くしているのに、気遣いができて、フォローまでしてくれるなんて。
ぐっと唇を噛み締める。
『サードステージは……宝探しゲーム!』
宝探し……?
『ルール説明をします!モニターにご注目〜!!』
モニターにはゲームマスターの声だけが残り、画面いっぱいに広がる、白いテキストに黒い文字。
宝探しゲーム
校内に隠された様々な種類の宝を探し出して集めよう。
制限時間は1時間。
校庭や体育館には隠されていない。
より多くの宝を見つけたチームにはご褒美。
最下位のチームは全員脱落となる。
そして……自分から相手に宝を贈呈したり、相手から宝を奪うことも可能。
宝物を贈呈した場合、放送が鳴るが、宝を奪い取った場合は放送は入らない。
宝物は、プラスチックでできた、光を反射する宝石。
くわしくはお伝えできないが、何かの下だったり、何かの中に入っていたりもするので、よく探すように。
テキストは消えて、代わりにゲームマスターがモニターに映る。
「それでは……よーい、スタート!!」
タイマーが表示されて、1時間のカウントダウンが始まった。
「よし、とりあえず、校内を探しに行こう!」
亮くんがそう指揮をとり、私たちはこくりと頷く。
「じゃあ、俺と純太で探すから、3人でお願いしてもいいか?」
河合くんがそう言って、木村くんの手をとる。
「りょーかい!」
「俺ら1階と2階探してくるな」
木村くんはそう言い残し、河合くんと教室を出ていく。
「俺らも行こっか」
亮くんがそう言ってくれて、私は美空の手を握って教室を出た。
最悪のタイミングでそんなことを言うゲームマスター。
もうその一言に怒る気力がない。
なぎちゃんを目で追うと、天沢さんたちと楽しそうに笑っている。
込み上げてきそうな涙を堪えていると、亮くんが近づいてきた。
「大丈夫か?」
「亮くん……」
「篠山さんも。辛いだろうけど、一緒に頑張ろう」
美空にもそうフォローを入れて、亮くんは私の頭をポンポンと撫でてくれる。
「次、ペアとかグループを組むとき、俺らと組まない?篠山さんも一緒にさ」
そんな提案をされるとは思っていなくて、びっくりしてしまう。
私は喜んで、と言いたいところだけど……美空はどうしたいかな……。
美空を見ると、力強い目でこくりと頷いてくれる。
私も頷き返すと、亮くんに向き直る。
「ごめん亮くん……お願いしてもいいかな……?」
私の返事に、亮くんは目を輝かせて、トレードマークの八重歯を見せて笑った。
『それではサードステージを開始します!』
ゲームマスターの声に、びくりとする。
『サードステージは5人1組で行いたいと思います』
5人……!?
慌てて美空の手を握ると、亮くんの方へ駆け出す。
「俺と晴紀と、志帆と篠山さんで、あともう1人か……」
そう言うと、辺りをキョロキョロと見回す亮くん。
「あ、俺連れてくる」
一言残し、河合くんはとある男の子に声をかけに行く。
来たのは木村くん。
「あ、よろしくー……」
ツーブロックの髪の毛を触りながらぺこりと頭を下げる木村くんに、亮くんが「純太ありがとなー」と声をかけている。
「あ、ありがとうっ……!」
私も慌ててお礼を口にする。
焦りすぎて、少し声が上ずった……恥ずかしい……っ。
「あ、うん」
ちょっと面食らったような表情でそう答える木村くん。
「んじゃ、何すんのかわかんねぇけど、がんばろーな」
ニカッと笑って、亮くんが拳を差し出してくる。
「うん!」
私も拳を出して、亮くんのそれにコツンと当てた。
『全員組めたようですねー!』
ゲームマスターは、またチーム表をモニターに移し出す。
A 浅尾涼音、箕輪飛鳥、天沢南那、藍田なぎさ、長嶋悠斗
B 四葉志帆、篠山美空、木村純太、河合晴紀、堤亮
C 三日月隼人、横間響、横間奏、日比谷祐樹、進藤司
D 南條麻耶、齋藤柑奈、薬師寺和花、藤代煌、吉田素晴
Bの私たちと、A、Dチームが男女混合チームだ。
Aチームの方を見ると、なぎちゃんが浅尾さんと楽しそうに笑いあっている。
それを見て、ズキンと胸が痛む。
「はーい、そっち見るのキンシ!」
ほっぺを指で押されて、強引に顔の向きを変えられる。
「今は次に集中!!」
そう言って二パッと笑う亮くん。
「あ……そうだよね。ありがとうっ」
亮くんはすごいなぁ……。親友を亡くしているのに、気遣いができて、フォローまでしてくれるなんて。
ぐっと唇を噛み締める。
『サードステージは……宝探しゲーム!』
宝探し……?
『ルール説明をします!モニターにご注目〜!!』
モニターにはゲームマスターの声だけが残り、画面いっぱいに広がる、白いテキストに黒い文字。
宝探しゲーム
校内に隠された様々な種類の宝を探し出して集めよう。
制限時間は1時間。
校庭や体育館には隠されていない。
より多くの宝を見つけたチームにはご褒美。
最下位のチームは全員脱落となる。
そして……自分から相手に宝を贈呈したり、相手から宝を奪うことも可能。
宝物を贈呈した場合、放送が鳴るが、宝を奪い取った場合は放送は入らない。
宝物は、プラスチックでできた、光を反射する宝石。
くわしくはお伝えできないが、何かの下だったり、何かの中に入っていたりもするので、よく探すように。
テキストは消えて、代わりにゲームマスターがモニターに映る。
「それでは……よーい、スタート!!」
タイマーが表示されて、1時間のカウントダウンが始まった。
「よし、とりあえず、校内を探しに行こう!」
亮くんがそう指揮をとり、私たちはこくりと頷く。
「じゃあ、俺と純太で探すから、3人でお願いしてもいいか?」
河合くんがそう言って、木村くんの手をとる。
「りょーかい!」
「俺ら1階と2階探してくるな」
木村くんはそう言い残し、河合くんと教室を出ていく。
「俺らも行こっか」
亮くんがそう言ってくれて、私は美空の手を握って教室を出た。