移動初日の歓迎会で記憶を失い朝目が覚めたら女嫌いで有名な先輩が隣で寝ていました
「あまり聞かれたくない話なんだろ。ここなら誰も来ない。どうした?あの子に関することか?」
ロベリオがそう言った瞬間、ユリスがロベリオの襟元を掴んでそのまま壁に押し付ける。ダアアアンという大きな音が倉庫内に鳴り響いた。
「あんたたち一体何がしたいんだ。あいつの部屋まで荒らして他にも目的があるのか」
ユリスの気迫にロベリオは驚きつつ、ロベリオはフッと笑った。
「何のことだ。あの子の部屋で何かあったのか」
「しらばっくれるな!あんなことするのはお前ら第二部門の連中しかいないだろ」
「……何か勘違いをしているようだな、ユリス」
ロベリオはいつものキラキラとした笑顔をしまいこみ、静かにユリスの腕を掴んだ。そのままぎりぎりとユリスの腕を握りしめ、襟から離そうとする。
「いいか?何があったか知らないが我々がわざわざ目立つような行動をすると思うか?そんなことして何の得がある。俺たちの目的はお前たちと何も変わらない。それ以上でもそれ以外でもない、覚えておけ」
ユリスの腕をパシっとはらい、襟を整えてからロベリオはユリスを見つめる。その瞳は静かだが恐ろしいほどの冷たさを含んでいた。
「だったら、一体誰が……」
「その話、詳しく聞かせろ。情報共有はすべきだ、お前は不服だろうがな」
ロベリオの言葉にユリスは眉間に皺を寄せたが、渋々昨日起きたことを話し始めた。
「……なるほど、部屋が荒らされ何かを探しているような跡だったと」
ユリスがリリィと一緒に現場検証に立ちあった時に少しだけ聞いた話だと、寮自体のセキュリティと鍵魔法が簡単に破られていたこと、探知魔法をかけた上でさらに部屋を荒らしていたことがわかったそうだ。
(魔法省、しかも研究課の寮のセキュリティを突破するほどの魔法の使い手、しかも探知魔法をかけたのに見つからず実際に行動に移したとなると、あの子自体ではなくあの子に関わる何かを探していた……?)
ロベリオは一通り思案してからユリスを見た。
「なぁ、当分の間共闘しないか?敵が誰かわからない以上、あの子を守る手数は多い方がいい」
「断る」
ロベリオの提案にキッパリとユリスは言い切った。
「何故だ?いくらお前が上級魔法の使い手だとはいえ、おそらくは第一部門だけで何とかなる相手ではないだろう。ライバルとはいえ目的は同じだ。共闘した方がメリットがあると思わないのか」
「あんたたちは歓迎会で彼女に魔法薬を飲ませて眠らせたような奴らだぞ。どうせそのまま研究室に連れて行って彼女を隅々まで調べるつもりだったんだろ。最低だな。そんな奴ら信用できるわけがない」
リリィが歓迎会で飲み潰れたのはお酒を飲みすぎたのではなく、第二部門の職員が飲み物に魔法薬を含ませ眠らせたからだった。ユリスはそのことに気づき、第二部門の職員の目を盗んでユリスがリリィを連れ帰ったのだ。リリィが途中で吐いたのも魔法薬が体内に回りすぎる危険性を考えユリスが急いで魔法薬を吐かせたためで、実際はリリィの落ち度ではない。
「はっ、そんなこと言ってお前らだって手柄が欲しいだけだろ」
その言葉にユリスはロベリオをキツく睨んだ。
「俺たちはお前らとは違う。それに、俺はあいつを守りたいだけだ」
そう言って倉庫を出ていくユリスを、ロベリオは両目を見開き驚いた顔で見る。
「はっ、ははっ、まじか。青いねぇ、青い青い……!」
ははははは、とロベリオの楽しげな笑い声が倉庫内に響いていた。
ロベリオがそう言った瞬間、ユリスがロベリオの襟元を掴んでそのまま壁に押し付ける。ダアアアンという大きな音が倉庫内に鳴り響いた。
「あんたたち一体何がしたいんだ。あいつの部屋まで荒らして他にも目的があるのか」
ユリスの気迫にロベリオは驚きつつ、ロベリオはフッと笑った。
「何のことだ。あの子の部屋で何かあったのか」
「しらばっくれるな!あんなことするのはお前ら第二部門の連中しかいないだろ」
「……何か勘違いをしているようだな、ユリス」
ロベリオはいつものキラキラとした笑顔をしまいこみ、静かにユリスの腕を掴んだ。そのままぎりぎりとユリスの腕を握りしめ、襟から離そうとする。
「いいか?何があったか知らないが我々がわざわざ目立つような行動をすると思うか?そんなことして何の得がある。俺たちの目的はお前たちと何も変わらない。それ以上でもそれ以外でもない、覚えておけ」
ユリスの腕をパシっとはらい、襟を整えてからロベリオはユリスを見つめる。その瞳は静かだが恐ろしいほどの冷たさを含んでいた。
「だったら、一体誰が……」
「その話、詳しく聞かせろ。情報共有はすべきだ、お前は不服だろうがな」
ロベリオの言葉にユリスは眉間に皺を寄せたが、渋々昨日起きたことを話し始めた。
「……なるほど、部屋が荒らされ何かを探しているような跡だったと」
ユリスがリリィと一緒に現場検証に立ちあった時に少しだけ聞いた話だと、寮自体のセキュリティと鍵魔法が簡単に破られていたこと、探知魔法をかけた上でさらに部屋を荒らしていたことがわかったそうだ。
(魔法省、しかも研究課の寮のセキュリティを突破するほどの魔法の使い手、しかも探知魔法をかけたのに見つからず実際に行動に移したとなると、あの子自体ではなくあの子に関わる何かを探していた……?)
ロベリオは一通り思案してからユリスを見た。
「なぁ、当分の間共闘しないか?敵が誰かわからない以上、あの子を守る手数は多い方がいい」
「断る」
ロベリオの提案にキッパリとユリスは言い切った。
「何故だ?いくらお前が上級魔法の使い手だとはいえ、おそらくは第一部門だけで何とかなる相手ではないだろう。ライバルとはいえ目的は同じだ。共闘した方がメリットがあると思わないのか」
「あんたたちは歓迎会で彼女に魔法薬を飲ませて眠らせたような奴らだぞ。どうせそのまま研究室に連れて行って彼女を隅々まで調べるつもりだったんだろ。最低だな。そんな奴ら信用できるわけがない」
リリィが歓迎会で飲み潰れたのはお酒を飲みすぎたのではなく、第二部門の職員が飲み物に魔法薬を含ませ眠らせたからだった。ユリスはそのことに気づき、第二部門の職員の目を盗んでユリスがリリィを連れ帰ったのだ。リリィが途中で吐いたのも魔法薬が体内に回りすぎる危険性を考えユリスが急いで魔法薬を吐かせたためで、実際はリリィの落ち度ではない。
「はっ、そんなこと言ってお前らだって手柄が欲しいだけだろ」
その言葉にユリスはロベリオをキツく睨んだ。
「俺たちはお前らとは違う。それに、俺はあいつを守りたいだけだ」
そう言って倉庫を出ていくユリスを、ロベリオは両目を見開き驚いた顔で見る。
「はっ、ははっ、まじか。青いねぇ、青い青い……!」
ははははは、とロベリオの楽しげな笑い声が倉庫内に響いていた。