移動初日の歓迎会で記憶を失い朝目が覚めたら女嫌いで有名な先輩が隣で寝ていました
「今日はとりあえずここまでかな」
「はい、だいぶ片付きましたね!本当にありがとうございます」
「いいよ、また明日も手伝うから」
そう言って部屋を出ようと歩くユリスに続いてリリィも歩き出した、その時。リリィはまだ片付け終わっていなかった足元にある置物につまづき、転びそうになる。
「危ないっ」
ユリスが咄嗟にリリィを抱きしめ、そのまま二人は倒れ込む。思わず両目をつぶっていたリリィがそうっと目を開けると、ユリスと一緒に床に倒れ込んでいた。ユリスはリリィをしっかりと抱きしめ、体は上から下まで密着している。
「す、すみません」
リリィが謝り動こうとしたが、ふとある違和感に気づく。
(え、なんか硬いものが当たって、る……?)
リリィの体に、ユリスの体の一部が当たってた。それは女性のリリィは持ち合わせていないものだ。その事実にリリィが気付き顔を赤くしながらユリスを見ると、ユリスはことの次第に気づいてバツの悪そうな顔をした。
「あ〜、なんか、ごめん」
そう言ってすぐに体を離し、リリィを起き上がらせてから自分もゆっくりと起き上がった。
「ユ、ユリスさん、そういう欲はわかないって言ってましたよね。それなのに、どうして……」
驚きながら質問するリリィを、ユリスは真顔のままじっと見つめ、ため息をついた。
「全部ちゃんと話すよ。とりあえず、俺の部屋に行こう。……それとも、こんなことになって俺のこと信用できなくなった?もしそうなら別の場所、そうだな、職場に行ってもいいけど。俺もあまり他の人には聞かれたくない話だから二人きりにはなるけど、でも俺の部屋よりは安心でしょ」
リリィを気遣って提案してくれているのがよくわかる。確かに欲がわかないと言っていたのにどうしてああなっていたのか。もし嘘をついていたのだとしたら信用は完全に失われる。でも、ユリスはそんなことをするような人間ではないと今まで接してきた中で思うし、何よりも深い理由がある気がしてならない。それをリリィは知りたいと思った。
「……いえ、ユリスさんを信じます。ユリスさんの部屋に戻りましょう」
「はい、だいぶ片付きましたね!本当にありがとうございます」
「いいよ、また明日も手伝うから」
そう言って部屋を出ようと歩くユリスに続いてリリィも歩き出した、その時。リリィはまだ片付け終わっていなかった足元にある置物につまづき、転びそうになる。
「危ないっ」
ユリスが咄嗟にリリィを抱きしめ、そのまま二人は倒れ込む。思わず両目をつぶっていたリリィがそうっと目を開けると、ユリスと一緒に床に倒れ込んでいた。ユリスはリリィをしっかりと抱きしめ、体は上から下まで密着している。
「す、すみません」
リリィが謝り動こうとしたが、ふとある違和感に気づく。
(え、なんか硬いものが当たって、る……?)
リリィの体に、ユリスの体の一部が当たってた。それは女性のリリィは持ち合わせていないものだ。その事実にリリィが気付き顔を赤くしながらユリスを見ると、ユリスはことの次第に気づいてバツの悪そうな顔をした。
「あ〜、なんか、ごめん」
そう言ってすぐに体を離し、リリィを起き上がらせてから自分もゆっくりと起き上がった。
「ユ、ユリスさん、そういう欲はわかないって言ってましたよね。それなのに、どうして……」
驚きながら質問するリリィを、ユリスは真顔のままじっと見つめ、ため息をついた。
「全部ちゃんと話すよ。とりあえず、俺の部屋に行こう。……それとも、こんなことになって俺のこと信用できなくなった?もしそうなら別の場所、そうだな、職場に行ってもいいけど。俺もあまり他の人には聞かれたくない話だから二人きりにはなるけど、でも俺の部屋よりは安心でしょ」
リリィを気遣って提案してくれているのがよくわかる。確かに欲がわかないと言っていたのにどうしてああなっていたのか。もし嘘をついていたのだとしたら信用は完全に失われる。でも、ユリスはそんなことをするような人間ではないと今まで接してきた中で思うし、何よりも深い理由がある気がしてならない。それをリリィは知りたいと思った。
「……いえ、ユリスさんを信じます。ユリスさんの部屋に戻りましょう」