移動初日の歓迎会で記憶を失い朝目が覚めたら女嫌いで有名な先輩が隣で寝ていました
「それで、討伐先にいた魔物の魔力が赤い雫と同じ魔力だったと」

 魔法騎士団の応援任務が終わり、研究課へ戻ってきたユリスたちは第一部門のメンバーに魔物について詳しく報告をしていた。

「完全に同じとは言いきれませんが、恐らくはハイルの言っていた魔石をあの魔物が取り込んだかと」
「そうであれば今後ももしかすると同じようなヤバイ魔物が出てくるかもしれないな」

 ユリスの報告にエイルは渋い顔になり、エイルの言葉を聞いた他のメンバーも深刻になる。

「そうなるとリリィちゃんが唱えた呪文は赤い雫とハイルには効いたけど、他の魔石には効かなかったってことね」
「他の魔石は赤い雫やハイルの取り込んだ魔石とは違うものだったのか、それとも距離的な問題なのか」

 ベリアの言葉にエデンが顎に手を添えながら考察する。

「何にせよ、今後も慎重になる必要がありますね」
「もしかすると過去にも同じような異常な魔物の事件があったかもしれません。過去の記録を探してみます」

「よし、それでは会議は終わりにする。ユリス、リリィ、お疲れ様。二人は来週3日間休暇を取ってくれ」

 エデンの言葉にユリスとリリィは目を合わせ微笑んだ。

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