移動初日の歓迎会で記憶を失い朝目が覚めたら女嫌いで有名な先輩が隣で寝ていました
二十四話
ユリスの兄ライムがユリスとリリィに会ってから数日後。ユリスの父が勝手に進めようとした縁談相手であるベラの元に一通の手紙が届けられた。
「ライムお兄様からだわ……ユリスお兄様には既に恋人がいるから諦めろ?父親とも話し合い縁談は白紙に戻す、ですって?そんな、恋人がいるからってまだその方と結婚するわけではないのでしょう、だったら諦める必要も筋合いもありませんわ」
グシャ、とベラは手紙を握りつぶし忌々しそうな顔で呟いた。そんな時、ベラの部屋の扉がノックされる。
「ベラ様、よろしいでしょうか?」
「何かしら」
メイドの一人が見知らぬ男を引き連れて部屋に入ってきた。その男は緩くウェーブかかった美しい金色の髪の毛を靡かせお辞儀をする。顔を上げると若草色の瞳をしており、一目でその美貌がわかるほどだった。
(まぁ、なんて美しいの……でも、なぜ顔の片側にだけ仮面のようなものをつけているのかしら。不自然ね)
「お初にお目にかかります、ベラ様。本日付でベラ様の身の回りのお世話をすることになりましたレインと申します」
使用人の制服に身を包んだその美しい顔立ちの男は、妖艶に微笑んだ。
「ライムお兄様からだわ……ユリスお兄様には既に恋人がいるから諦めろ?父親とも話し合い縁談は白紙に戻す、ですって?そんな、恋人がいるからってまだその方と結婚するわけではないのでしょう、だったら諦める必要も筋合いもありませんわ」
グシャ、とベラは手紙を握りつぶし忌々しそうな顔で呟いた。そんな時、ベラの部屋の扉がノックされる。
「ベラ様、よろしいでしょうか?」
「何かしら」
メイドの一人が見知らぬ男を引き連れて部屋に入ってきた。その男は緩くウェーブかかった美しい金色の髪の毛を靡かせお辞儀をする。顔を上げると若草色の瞳をしており、一目でその美貌がわかるほどだった。
(まぁ、なんて美しいの……でも、なぜ顔の片側にだけ仮面のようなものをつけているのかしら。不自然ね)
「お初にお目にかかります、ベラ様。本日付でベラ様の身の回りのお世話をすることになりましたレインと申します」
使用人の制服に身を包んだその美しい顔立ちの男は、妖艶に微笑んだ。