イジワルな君の甘い溺愛


花、と名前で呼ばれた。


いつもはお前とか、さっきみたいにメガネザルって呼んでくるくせに、時々今みたいに名前で呼んでくる。


あんまり慣れないから、どこかくすぐったい。


「花が楽しいなら、それでいい」


優しく、穏やかな声だった。


なんか、今日はいつも以上に心臓がうるさくなる。


は、早く食べなきゃ!


なんとか意識を逸らそうと、パンケーキを一口サイズに切って、フォークに刺した。





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