イジワルな君の甘い溺愛


弥生くんの手が私の顔に伸びてきて、急に視界がぼやける。


「あ、眼鏡!」


かけていた眼鏡を取られたらしい。


超絶目が悪い私は眼鏡をとられたら視界が歪んで何も見えない。


「か、返してよ!」


取り返そうとする私の腕を制したと思ったら、唇に優しく何かが当たる感触。


「お前、隙ありすぎ」


呆然とする私に眼鏡をかけ直してはっきりとレンズ越しにうつる、意地悪な弥生くんの顔。


「ぼーっしてないで集中しろよ。そっち終わったんなら次」


「う、うん」


上の空の私を見逃さなかったらしい。


弥生くんに喝を入れられて、私は頭を切り替えた。



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