イジワルな君の甘い溺愛


この前から私は弥生くんに自分から勝手に距離を作って、ほとんど話していない。


「帰るぞ」


そう言う弥生くんに、「ごめん、今日買い物お母さんに頼まれてるから」とありもしない嘘をついて、逃げるように教室を飛び出して。


「おい」


さっきだって、移動教室が始まる前に声をかけられたけど、とっさに「夢ちゃん、行こう!」と何も知らない夢ちゃんの手を引いて、また逃げ出した。


それから弥生くんの不機嫌オーラが、すごく漂ってきて…


結局私たちの間には微妙な空気が流れたまま、時間だけがすぎていった。




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