イジワルな君の甘い溺愛
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「まさかあの家に栗山さんが引越してきてたなんてねぇ…買い物帰りに栗山さんにばったり会ったのよ。弥生くんもいたけど、その辺の俳優よりかっこよくなってたわよ」
お風呂から上がった私はリビングのソファでゴロゴロしていると、机を拭いていたお母さんが言った。
晴翔はもう寝たらしい。
「ああ、なんか弥生くんが、花さんは家にいるんですか?って言うから、図書館に行ったみたいって伝えたんだけど」
…お母さんわざわざ言わなくてもよかったのに。
「……久しぶりに会った」
目元に腕を被せてポツリと答える。
「あら、なんだそうだったの?」
「うん…」
なんか、今日はとんでもない1日だった。