イジワルな君の甘い溺愛

朝礼が終わると、栗山くんの席の周囲には女子たちの集まりが出来ていた。


「ねぇ木嶋さん、ちょっといい?」


教科書を用意していると、にこにこした間宮さんに声をかけられた。


顔は笑っているけど、目は笑っていない。
何となく、嫌な予感がした。


そのまま教室の端に連れていかれたけど、みんな栗山くんに夢中で誰もこちらには気づいていないようだ。


「ね、木嶋さん。私と木嶋さんって、友達だよね?」


小さく首を傾げて、間宮さんが聞く。
「う、うん。もちろん!」と答えれば、「そうだよねぇ!じゃあ、百合のお願い聞いてくれる?」と間宮さんは続けた。


「弥生くんと、あんまり仲良くしないで欲しいなぁ、なんて。ほら木嶋さん、一番席近いでしょう?抜け駆けしたら、百合悲しいなぁ…」


「そ、そんなこと絶対にしないよ!」


「…そうだよね!なんか、不安になっちゃって。ごめんね、木嶋さん!」


こちらを探るように見ている間宮さんは、私の答えに安心したように頷いて、栗山くんの席へと一直線に向かう。






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