イジワルな君の甘い溺愛


『よかった、借りられてなくて。これ、僕が最近読んですごくハマった本なんだ。よかったら、読んでみてね』


普段はあまり読まない、サスペンス系だった。


『ありがとうございます』


『もし読んだら木嶋さんの感想、聞かせてくれると嬉しいな』


そんな会話から林先輩と少しずつ親しくなって、図書館で先輩に会えばお互いに読んで面白かった本を紹介し合うようになって…


いつからか、その時間がすごく待ち遠しくなっていた。
先輩と話すと心臓がドキドキして、先輩が笑ってくれるのが嬉しくて…


ああ、私は先輩が好きなんだって、気づいた。


今まで誰かに恋をしたことがなかったし、その人を見るだけでドキドキして、もっと知りたいって思って…この忙しい感情が、恋なんだって実感した。


「先輩も、お疲れ様です。あの、この間おすすめしてもらった本、最後がすごく予想外で面白かったです!」


「やっぱり、最後のとこは僕もびっくりしたよ。よかった
今回も楽しんでもらえて」


「はい!あと、これ、私が最近読んだ本なんですけど、またよかったら読んでみてください」


「ありがとう。木嶋さんの紹介してくれる本はどれも面白くて外れがないから、楽しみにしてるんだ」


太陽みたいな、明るい笑顔。


私は先輩のその笑顔が大好きだ。



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