イジワルな君の甘い溺愛
夢ちゃんは「告白しちゃいなよ!」ってよく言うけど、私にそんな勇気はない。
先輩はみんなから人気があって、キラキラした存在。
でも私はその真逆だ。
地味だし、取り柄だってない。
だから気持ちを伝えたって、きっと先輩を困らせるだけ。
変に気まずくなって今みたいに話せなくなるのも嫌だから、今のままで十分だと思ってる。
でも、やっぱり気になるんだ。
「あの、先輩は…」
好きな人は、いるんですか?ーーー
「ん?どうしたの?」
言いたい言葉は言えずに、「いえ、やっぱりなんでもないです」と笑って返した。
その時、ガラッーーと勢いよくドアが開いた。
「へぇ…こんなとこにいたのか」
「な、なんで栗山くんここにいるの!?もう帰ったんじゃ…」