イジワルな君の甘い溺愛

なぜか栗山くんは超不機嫌だ。
ギロリと先輩を睨んだ。


「……えーと、木嶋さんの知り合い?」


「あ、その今日来た転校生で…」


「花、帰るぞ」


栗山くんが珍しく私の名前をよぶ。
いつもはおいとかお前って呼ぶくせに、今に限って。


「えっ、ちょっ、私まだ…」


手首を掴まれてそのまま強制的に連れていかれる。
先輩も少し驚いた顔をしながら、「あ…じゃあ木嶋さんまたね」と手を振った。


図書館を出て、人気のない空き教室に連れていかれた。


「は、放して!」


栗山くんの手を振り解く。


不機嫌オーラを体中から漂わせて、栗山くんは私に向き直った。



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