イジワルな君の甘い溺愛
「花、俺…」
私の腕を掴もうと伸びてきた栗山くんの手のひらを、私は払いのけた。
「触らないで」
ちょっとびっくりした見たいに目を見開いて、栗山くんはふっと笑った。一瞬、どこか悲しそうに。
「お前のくせに今日は随分と生意気だな」
「……なんで?…なんで昔から、私の嫌がることばっかするの?私何かした?」
声が震える。
むかむかとした怒りが、お腹の底から湧き上がってくる。
「そんなの……面白いからに決まってんじゃん」
「…最低っ」
私は栗山くんのおもちゃじゃない。
さっきは払いのけた手が、今度はしっかりと私の手を掴んで、栗山くんの方へぐいっと引っ張られた。
「お前は俺にだけ構われてればいいんだよ」
耳元で囁かれて、私はぎゅっと目をつむる。
そのまま栗山くんは私をひとり教室に残して出て行ったけど、私は力なく床に座り込んだ。