イジワルな君の甘い溺愛

「あ、木嶋ちゃん、夢もう来てる?」


自販機に向かう途中でばったりと会ったのは、夢ちゃんの幼なじみで私も同じ中学だった平野 陽太くんだ。


夢ちゃんとは顔を合わせるたびに毎回言い合いしてるけどなんだかんだで仲は良い。


「夢ちゃんなら教室にいるよ。今日はどうしたの?」


「数学の教科書忘れてさ、夢に借りようと思って。今から教室行ってくるわ。じゃあサンキュー!」


平野くんを見送って私は歩き出した。


✳︎✴︎

「おはよう、木嶋さん」


自販機から飲み物を取り出していると後ろから聞き慣れた声がした。


「林先輩!おはようございます」


朝から林先輩に会えるなんて、今日は一日良いことがありそう。
ドキドキと、心臓がうるさい。


「木嶋さんも飲み物買いに来たんだ。何買ったの?」


「あ、いちごオレです…」


昔から大好きで、お父さんが入院してる時もよく病院で買ってもらっては飲んでいた。




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