イジワルな君の甘い溺愛

晴翔と手を繋いで歩く私の後ろを、栗山くんがついてくる。
晴翔は少し警戒したように、振り向いて足を止めた。


「おまえ、なんでついてくるんだよー!」


この前は恥ずかしがって私とお母さんの後ろに隠れてた癖に、今日はやけに挑戦的だ。
繋いでいた手を離して、晴翔は栗山くんに近づいた。


身長差がすごいけど、晴翔は見上げるように栗山くんを見ている。


「あ、わかった!おまえ、お姉ちゃんのかれしだー!」


何を言い出すと思えば、とんでもないことを言い出した。
かれし、なんて言葉なんで知ってるのよ!?


「ちょっと晴翔そんな言葉どこで覚えたのよ!?」


「え?ママが見てたドラマで女の人が男の人に言ってた。わたしのかれしになって下さいって」


心当たりは大ありだ。


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