イジワルな君の甘い溺愛
な、なんだろう……
気づかれないように私もその人を見上げて、思わず息を呑んだ。
さっきは慌てに慌ててたから顔はよく見えなかったけど、びっくりするくらい綺麗な顔立ちをした人だった。
鼻筋はすっと通って、背もすらりと高い。
すごい大人っぽい雰囲気だけど、どこか近寄りがたい冷たい印象の人だなと思った。
相変わらずこっちを見てくるから、流石に居心地が悪い。
「あの、何か……」
「相変わらずバカなんだな、メガネザル」
「………へっ?」
フッと鼻で笑って、クールな笑みを浮かべている。
その笑った顔に、すごく見覚えがあった。