イジワルな君の甘い溺愛
♣︎知ってしまったんです♣︎


「…七夕祭り?」


7月に入った、ある日の昼休み。


私の机で一緒にお昼を食べていた夢ちゃんに提案されて、食べようとしていた卵焼きをお弁当に置いた。


「そ、七夕祭り。ほら、去年は雨で中止になっちゃったじゃん?」


そういえばそんなこともあったっけ…と私は思い出す。
去年の今頃は大きな台風が近づいて数日間の豪雨が続いた。
ちょうど同じころに七夕祭りが重なって、安全のために中止された。


「天気予報見たら今年は晴れるみたいだし、去年行けなかった分、今年はみんなでパーっと楽しもうよ!ね!」


「うん、いいよ」


目をキラキラさせる夢ちゃんに、私は頷いた。


「じゃあ、決まり!私たちだけでもいいんだけど…陽太もさそっていい?どうせなら人数多いほうが、楽しそうだし」


「そうだね」


それから夢ちゃんはまた考え込むように、腕を組んだ。




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