イジワルな君の甘い溺愛
「ね、栗山もお祭り行かない?一緒に行く私の幼なじみがさ、あんたと仲良くなりたいらしんだよね」
私は心の中でえぇっ!?とびっくりする。
夢ちゃんが栗山くんを誘ったのもびっくりしたけど、平野くんが栗山君と仲良くなりたがってることにはもっと驚いた、というか…。
「ほら、こないだあたしに教科書借りに来た時に陽太、栗山に興味もったみたいでさ、すごいしつこく話しかけてたんだよね。ま、ガン無視されてたけど」
「へ、へぇ……」
陽太くんは明るい性格で、すごく社交的だ。
静かな栗山くんとは、意外と合うのかもしれない。
なんか、太陽と月みたいだな、と思った。
「で、どうする栗山?」
そっと振り向けば、一瞬だけど栗山くんと目が合った。
すぐに逸らされちゃったけど…。
「……別にいいけど」
そう言って、すぐにスマホに目を戻す。