イジワルな君の甘い溺愛
「……あ、そう。じゃ、じゃあ決まりで…」
夢ちゃんはちょっと意外そうに瞬きを繰り返す。
「いや、普通に断られると思って、ダメ元で誘ったつもりだったんだけど…ちょっと意外だったわ」
栗山くんには聞こえないくらい小さい声で、夢ちゃんは私に言う。
私だって、結構びっくりした。
「行くわけないだろ」って、普通に言うと思ってたし。
「じゃあ待ち合わせ場所と時間はまた決めるとして…ね、花、浴衣って持ってる?」
「多分、あったと思うけど…」
「じゃあさ、一緒に着てかない?もし無ければうちのお姉ちゃん着たのあるし…あ、そうだよ花、このお祭りで、メイクデビューだよ!」
「えっ、私はいいよ!お化粧、出来ないし!」
「遠慮しなくていいから、私に任せなさいって!」
そんなわけで、私は当日夢ちゃんの家で着付けとメイクをしてもらうことになった。