イジワルな君の甘い溺愛
夢ちゃんのお母さんに着付けてもらった私たちは、集合時間が近づいて神社に向かった。
集合場所は神社の鳥居の前。
人が集まって混む前に早めに集合って話をしてたけど、想像以上に人が沢山だ。
「おーい、こっちこっち!」
鳥居の近くに行くと、平野くんが大きく手を振っていた。
栗山くんも一緒だ。
「おせーぞ!」
「しょうがないじゃん、浴衣だとちょっと歩きにくいんだから!で、どうよ私たちの浴衣コーデ!可愛いでしょ?」
じゃーん!と、夢ちゃんは私の肩に手を添えた。
「なんか、あのガサツな夢が、女子に見える…」
目を擦って確認する平野くんの頭を、夢ちゃんがペシっと叩く。
「可愛いなら可愛って素直に言いなさいよ!」
「か、可愛くないから、言えるわけないだろ!」
と、顔を合わせれば始まるいつもの口喧嘩の開始だ。