イジワルな君の甘い溺愛
平野くんたちは射的が終わったのか、4人のグループラインに『どこにいる?』と連絡がきていた。
今いる場所を送ると了解!のスタンプが返ってきた。
しばらくスマホをいじっていると、「木嶋さん?」誰かに名前を呼ばれた。
顔を上げれば、林先輩が立っていた。
お互いに学校以外で会うのは初めてだから、一瞬誰かわからなかった。
「よかった、木嶋さんだ。なんか、いつもと雰囲気全然違うから、一瞬人違いしちゃったかと思ったよ。浴衣、似合ってるね」
「あ、ありがとうございます!あの、先輩は…」
「真斗、お待たせ!これ、ポテト……あら?」
私の声に重なって、女性の声がした。
紺色の浴衣を着た、綺麗な女性がこちらに近づいてきた。