イジワルな君の甘い溺愛


「可愛い子!真斗のお友達?」


先輩のことを、下の名前で親しげに呼んでいる。
胸が、ざわめき始める。


「学校の後輩の子だよ」


先輩は、穏やかな声で返した。
心が、ものすごく苦しい。


もう、なんとなくは分かっていたけど、どこか違うんじゃないかって思いが捨てられなくて、私は思わず聞いた。


「あ、の……林先輩の彼女さん、ですか?」


先輩と女の人はすこし恥ずかしそうに目を見合わせて、「そうなんだ」と、先輩が言った。


……そう、だよね。
やっぱり、先輩、彼女さんがいたんだ…
あんなに優しい人なんだもん、当たり前だよね…



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