イジワルな君の甘い溺愛


雪菜さんも手を振ってくれて、私はなんとか笑顔を作って、軽く頭を下げた。


「花ー、お待たせー!……どうしたの?具合悪い?」


私の沈んだ気持ちが顔に出ていたのか、夢ちゃんをすごく心配させてしまった。


「ううん、全然大丈夫!あ、平野くんたちもこっち来るって」


盛り上がるお祭りでこんな暗い顔をしていたら、楽しいお祭りが台無しだ。
先輩のことを思い出すとどうしても視界が揺らぐ。


私はなんとか気分を切り替えようと、明るい屋台を見つめる。


「あ、いたいた!って、チョコバナナじゃん!俺もなんか食おうかな。腹減ってきたし」


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