イジワルな君の甘い溺愛


ちょうど平野くんたちと合流した。


「私たちはこれからりんご飴の屋台行くんだ!ね、花!………花?」



「…な、花ってば!」

「……あ、ごめん聞いてなかった。えと……なんだっけ」


ぼんやりと聞こえていた声が、耳にしっかりと響いて私は、はっとして顔を上げた。


3人が、こっちを見ている。


「なんか、さっきからぼんやりしてるけど、ほんと大丈夫?」


夢ちゃんが顔を覗きこんできた。


「あ、うん大丈夫!ごめん」


「ほら、りんご飴買いに行こうよ!花、甘い物好きだもんね!」


夢ちゃんに手を引かれて、私も歩き出した。
足に力が入らない。



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