イジワルな君の甘い溺愛


さっきまであんなに食べたいと思っていたりんご飴だって、正直今は食べたくない。


✳︎✴︎

結局、私は最後まで暗い気持ちのまま、お祭りを過ごした。


食欲もない中、無理に胃に詰め込んだせいで、お腹がむかむかする。


夢ちゃんと平野くんとは反対方向だから神社で別れて、私と栗谷くんは家が近いから、帰る方向は同じ。


先を歩く栗山くんの後ろを、私はとぼとぼとついていく。


「………足、少し休めろよ」


「……え?」


栗山くんは止まって、振り返った。
まだ、家まではだいぶある。


……足?
自分の足を見れば、下駄の鼻緒が当たるところが擦れて真っ赤になっていた。


気づいてから、じんじんと痛み始めた。
今まで、全然感じなかったのに…



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