イジワルな君の甘い溺愛
近くの小さな公園のベンチで少し休憩することになって、少し距離を空けて、2人で座った。
私は足元を見つめているばかりだし、栗山くんだって何も言わないから、沈黙が続く。
けど、その沈黙は全然苦痛じゃなくて、どこか安心感があった。
「………あのね、お祭りで林先輩に会ったの」
別に、話そうと思ったわけじゃない。
ただ、自分でも気づいたら口が動いていた。
「すっごく優しい彼女さんと、一緒だった…」
声が、震えてきた。
顔を上げられなくて、私の視線は相変わらず足元。
栗山くんは何も言わない。
暗いからどんな表情をしてるかはわからなかったけど、聞いてくれているのはわかった。