イジワルな君の甘い溺愛
「こんな様子じゃ、他にもあんだろ」
げっ、32点の化学がっ…!
他のプリントも見られそうだったから、私はさっと、それを手元に引き寄せる。
「あ、あの私にはお構いなく……栗山くんは栗山くんの勉強の方を…」
「…お前さ、さっきから何そのよそよそしい態度」
栗山くんの声は、どこか苛立ちがある。
昔とは違ってすっかり声変わりした声は低くなって、背丈だって同じくらいだったのに、今じゃ30センチ近くも身長差がありそう。