イジワルな君の甘い溺愛
放課後。
「じゃあね花、気をつけて帰りなよー」
「うん。夢ちゃんも部活、頑張ってね」
部活に向かう夢ちゃんとは途中で別れて、私は昇降口に向かっていた。
「あ、木嶋さん!」
本を抱えた、林先輩だ。
そういえば、今日は図書委員会の当番活動のある日だったけ……
「お疲れ様です。すごい量の本ですね」
「うん。先生に頼まれちゃったんだ」
「そう、なんですか…」
先輩の顔を、まともに見れない。
見ちゃえば、ちゃんと笑顔を作れなくなりそうだから。