イジワルな君の甘い溺愛
外はジリジリと太陽が暑くて、ミンミンとうるさいくらいに張り切って鳴いているセミの声に、余計に汗が出てきそう。
10分ちょっと歩いて駅に到着した。
なんとか5分前に着くことはできたけど……
栗山くんはまだ来てない、のかな?
入り口のあたりをキョロキョロしていると、後ろから「おい」と声がした。
滅多に見ない、私服姿の栗山くんだ。
「あ…おはよ」
「……はよ。電車15分後に出るから切符買って行くぞ」
「え…電車に乗って、どこ行くの?」
「いいから行くぞ」